大事なのは「社会人基礎力」
初めて福祉業界で働く皆さんにとって大きな課題となるのが「理想と現実のギャップ」です。学生と社会人には違いがあります。それは、価値のあり方。学生時代までは、あくまでも、自分が好きややりたいという欲求に従い、お金を払って買うという『消費者』の立場でいることが多いです。一方、社会人は「お金をもらう側」つまり『生産者』になります。価値をどう評価するのかは、自分ではなく相手に変わっていく。例えば、自分が楽しいって思っていても、相手が思わなかったらそれは全く意味がないものになるのです。社会人になり『生産者』として確立していく中で、『消費者』視点が残ってしまっているからこそ出てくるギャップに直面してしまうのだと思います。
そんな中で大事なのは「社会人基礎力 ※①」だと、私は考えています。経済産業省が2006年に提唱したものなのですが、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として3つの能力について、重要性を謳っています。1つは主体性や働きかける力である、「前に踏み出す力」。そして課題発見力である「考え抜く力」。最後に、規律性や柔軟性、ストレスコントロールができる「チームで働く力」です。福祉業界では、特に基礎学力や専門知識以上に、この「社会人基礎力」が欠かせません。人事評価にもこの視点で基準を作っていますよ。